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医療法人 誠志会 砥部病院

砥部病院
〒791-2114
愛媛県伊予郡砥部町麻生40-1
TEL:089-957-5511
FAX:089-957-5542

令和2年

2020/10/06
令和2年No.9 新型コロナウィルス感染症対策について

 ヨーロッパの状況をみれば、この秋から冬にかけて新型コロナウィルス感染症は大流行が予測される。砥部病院が発熱患者を診ないということはできない。そうなると、一般の患者と、発熱患者の動線をはっきり区別しなければならない。発熱患者は、息苦しいとか、命に関わる症状のない限り、原則として電話予約、患者数の少ない午後の受診とする。
 検査は、車に乗ったまま行うドライブスルー方式、もしくは駐車場に設営した、テントもしくはプレハブの中で行い、症状により胸部のレントゲン検査やCTが必要な時、患者に手袋とマスクを装着して検査室に案内する。
 院内感染に関して、砥部病院へのウィルスの侵入経路は主として二つある。
 一つは、職員が街や、友人、家族から感染して、病院の中で同僚や患者さんに感染させること。
 二つ目は、新しく入院してきた人が、新型コロナウィルスに感染していることである。
 緊急入院は常に危険が伴う。九州の病院で、脳出血で緊急入院した患者が、新型コロナウィルスに感染していて、院内感染したという話は記憶に新しい。また、精神病院でも、せん妄状態で入院した患者が感染していて、クラスター(感染集団)が発生している。
 同じ病棟に勤務する同僚に感染させないために、次に掲げる濃厚接触者の定義2つを熟知すること。
1.新型コロナウィルス感染症の患者と発症日2日前以降に接触した人
2.マスクなどの感染予防策なしに新型コロナウィルス感染症の患者と1m程度の距離で15分以上の接触があった人
 特に2が重要である。マスクをはずしての、同僚との食事の時が危ない。食事時間をずらす。向き合って食べない。大声を出さない。更衣室も、密にならないよう気をつけること。
 もし、職員が発症した場合、保健所は濃厚接触者の割り出しを行う。濃厚接触したと見なされれば、PCR検査の結果いかんいもかかわらず、2週間の自宅待機となる。そうなれば、病棟のスタッフは少なくなり、働く職員の負担が増え、牧病院と同様に、砥部病院の中で医療崩壊が生じる。
 常に自分がウィルスを持っていると考えて、人に感染させないという努力を習慣づけておく必要がある。どの同僚に対しても濃厚接触者と見なされるようなことのないよう気をつけること。
 院内感染が発生すれば、2日以内に全職員の基礎疾患、家族構成などのリスト提出が求められる。苦情の電話を受けながら、感染対策に東奔西走しながらのリストの作成が、何より事務員の体力を消耗したと牧先生が話してくれた。リストは万が一のことを考えて、あらかじめ作成しておけば良い。後日、個人票を配布するので記入して、病棟ごとに取りまとめ、提出すること。個人情報の取り扱いに注意すること。このリストは万が一の場合保健所に提出する以外は使用しないことを約束する。
 牧病院では、院内感染の発生後、清掃業者も撤退している。たとえ院内感染が生じたとしても、撤退しないと清掃業者の確約を取る必要がある。オンローケーション方式(バケツの水にモップを入れて洗いながら清掃する)のではなく、オフローケーション方式(汚れたモップは次々に新しいものに変え、掃除のあとでまとめて洗濯する)を指導されている。また、リネンの回収、医療廃棄物の回収についても拒否されており、一部屋がゴミの山になっていた。今のうちに業者に確認と院内感染時の回収要請が必要である。
 過去の歴史から、流行は3年続く。100年前のスペインかぜと同様の経過をとるのではないだろうか。
 マスク、消毒薬、フェイスガードなどの備品を蓄積しておく必要がある。
 外来は病院の顔である。発熱患者は、特に丁重におもてなしをしなければならない。いろいろな医療機関で診療を拒否されたという人が来る。発熱患者に対する警戒は必要であるが、差別や偏見のないように。言葉遣いにも気をつける必要がある。職員一人一人が病院の顔であるという自覚をもっていただきたい。
 この秋からの砥部病院の動向が、病院の将来を決定すると言っても過言ではあるまい。

 令和2年9月24日

砥部病院

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