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医療法人 誠志会 砥部病院

砥部病院
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名誉院長の麻生だより

2014/06/30

 高校1年生の時に読んだ北杜夫作「どくとるマンボウ青春記」の冒頭の文章です。「ともあれ、いまこうして机に向かっている私は、もうじき四十歳になる。四十歳、かつてその響きをいかほど軽蔑したことであろう。四十歳、そんなものは大半は腹のでっぱった動脈硬化症で、この世にとって無益な邪魔者で、よく臆面もなく生きていやがるな、と思ったものである。まさか、自分がそんな年齢になるとは考えてもなかった。しかし、カレンダーと戸籍係によって、人はいやでもいつかは四十になる。あなたが二十七歳であれ、十五歳であれ、あるいは母の胎内にようやくやどったばかりにしろ、いつかはそうなる。従って、四十歳をあまりこきおろさないほうがいい。そうでないと、いつかは後悔する。人間というものはとかく身勝手なもので、私は五十歳になれば五十を弁護し、六十歳になれは六十を賛美するであろう」今日で私は五十五歳、本当に身勝手なもので、若い時には、わかろうともしなかった北杜夫の言っていたことの意味が今となっては、身に染みて、よくわかります。今日から私は、自分を弁護し、賛美しながら生きていこうと思います。
 誕生日には、私をこの世に私を送り出して下さった両親への感謝の気持ちでいっぱいになります。私の名前を付ける時、祖父が必死で電話帳をめくっていたと聞いたことがあります。私も自分の名前は「機を見るに敏」すなはち、「好機を見極めるのがすばやい」ぐらいにしか思っていませんでした。しかし、最近になって、安岡正篤(昭和天皇の終戦の詔勅を加筆修正したことや、歴代の総理大臣の指南役をしたことで有名)の「運命を開く」という本の中に、私の名前「敏」を見つけました。出典は論語。自分を善くするために、仕事のために、友人のために、世の中のために、出来るだけ気をつけよう、役に立とう、まめに尽くそうと心身を動かすことが「敏」の本義であると書いてありました。名前を付けていただいてから55年にして、自分の名前に込められた本義がわかり、まだまだこれからがんばらなければならないと、両親に改めて感謝する次第です。
平成26年6月24日

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