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医療法人 誠志会 砥部病院

砥部病院
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平成25年

2013/09/03
H25 No.8

 上甲監督からの矢のような催促で、甲子園に8月12日に出発、17日まで選手宿舎に寝泊まり、佐々木師長、森永主任の点滴のお手伝いをしました。いろいろなドラマがありました。愛媛県大会の決勝の前日、ホテルに泊まっている金子君が浮かない顔つきをしていたので声を掛けると、「部屋が恐くて眠れない」とのことでした。理由を聞くと、「部屋の窓からお墓が見えるから」と言います。宇佐川君も同じでした。しかし、監督にそのことを言うのは、もっともっと恐いとのことでした。そこで、私は監督の部屋に行き部屋替えをお願いすると、「情けない」と言いながら、すぐにフロントへ電話をして下さいました。テレビで見ると大人びて、たくましく見える選手たちですが、可愛らしいところがあります。金子君のお兄さんも済美高校野球部でした。広島県の宇品に住んでいました。小学校の時にお父さんに甲子園に連れていってもらったのが、ちょうど9年前、済美高校が春の甲子園大会で優勝した時でした。その当時は観客席とグランドが近く、上甲監督が選手に掛けている言葉が聞こえ、金子少年(兄)は感動して、「僕は大きくなったら済美高校に行く」と言ったそうです。その後、済美高校の話題が出ることは無かったのですが、中学3年生になって突然「済美に行く」と言い、海を渡って済美高校野球部に入部しました。お兄さんは甲子園に行けませんでしたが、弟がその意志を受け継いで立派に活躍してくれました。

 光同寺君は監督に怒られてずっと済美球場の草引きをさせられていました。無表情でニコリともしない光同寺君に話しかけても「ハイ」か「イイエ」というぶっきらぼうな返事だけです。なんとか心をほぐそうと「光同寺の歌をつくってやったぞ」と言って私は「光、光、光同寺、光同寺の庭は、ツンツン月夜だ、草引いて来い来い来い」と歌いました。これを甲子園でもずっと歌ってやると、だんだん表情がよくなり、ニコニコするようになって、あの2回戦、3安打に結びついたというわけです。

 花巻東戦では、残念な結果に終わりましたが、甲子園からは「全力で事に当たれば、結果に悔いなし」の教訓を持ち帰りました。

平成25年8月22日

 

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