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医療法人 誠志会 砥部病院

砥部病院
〒791-2114
愛媛県伊予郡砥部町麻生40-1
TEL:089-957-5511
FAX:089-957-5542

名誉院長の麻生だより

2016/05/31
平成28年 No.3

 教え子が病院を去る時ほど寂しいことはありません。准看護師の講義とはいえ、一生懸命に予習し、看護師国家試験の問題にも正解できる講義を行い、人間の生き方についても話してきました。
 人間は誰でも、いろいろな出来事が重なって、心の中がいっぱい、いっぱいになることがあります。不安や恐れが心の中で渦を巻き、まるで渦潮の中に、小さな手漕ぎボートで迷い込んだような状態になります。そんな時は、自分を高い所から眺めてみましょう。
 鳴門の渦は海抜45mの橋の上から見学できるようになっています。小さなものから、最大30mもある渦潮が何個も見られます。高い所から見れば、自分の巻き込まれた渦が小さなものなのか、どうなのか、どちらの方向に舵をとれば、脱出できるかもわかるはずです。高い所から下界を見ることを俯瞰(ふかん)すると言います。何かが自分の身に生じた時、自分を突き放して、俯瞰してみてはどうでしょうか。自分が何を恐れ、何を心配しているのかを考えてみてください。悩んでも何も変わらないことに気がつくはずです。
 禅に「前後際断」という言葉があります。「前」とは過去のこと、「後」とは未来のことです。過去の出来事を後悔したり、起こってもいない未来のことを心配したりすると、今に集中できない、今に力を注げないという戒めの言葉です。過去と未来の際(きわ)すなはち、境界を断ち切って今に力を注ぐべき、という教えなのです。
 現代社会において成功している人すべては、今為すべき事に力を注ぎ、集中した人です。はじめから遠大な夢や希望をもって、計画通りに事を運んだ人は、ほんの一部でしょう。世の中は目まぐるしく変わります。多くの成功者は、変わりゆく今に力を注いだ人です。
 ドイツの文豪ゲーテも同じようなことを言っています。「済んだことをくよくよせぬこと。滅多なことに腹を立てぬこと。いつも現在を楽しむこと。とりわけ人を憎まぬこと。未来を神にまかせること」古今東西を越えて、人生の達人の言葉には共通点があります。
 今、目の前にいる人を喜ばせることを経験しなければ、自分の殻を破ることはできません。これを体験してから砥部病院を卒業してもらいたいものです。ご安心ください。再入学はいつでも受け付けます。

 平成28年4月24日
 

 
 

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